2016年1月29日金曜日

アイデンティティ

アイデンティティという言葉を、みなさんは一度くらい耳にしたことがあるかもしれません。

「自己同一性」などと訳されますが、その意味するところは「自分は何ものであるか、自分はどこにどう立ち、これからどういう役割と目標にむかって歩いて行こうとするのか」ということです。

この課題を達成するには、既存のもの(例えば親からの価値観など)を一度壊して、新たに再構築することが必要になってきます。非常に葛藤するし、どれが正解ということもない中で自分というものに向き合い、自己を確立するのですから、とても大変な作業です。命がけです。

でも、そうした作業を繰り返す中で、おぼろげながら「自分とはこういう人間である」「この私でいいのだ」と思えるようになって行きます。
(そしてこの課題を達成した後は、次の関所である職業選択・恋愛・配偶者の選択といった人生の本番へ進んで行きます)

価値観も多様化し流動的である今の世の中でしっかりと自分を生きていくためには、そのスピーディーさと逆行するようですが、こうした地道な作業が重要になってくるのだろうなと感じています。

                                         (こころの旅・神谷美恵子参照)